普及品のペルシャ絨毯は化学染料も多く価格が安い
普及品のペルシャ絨毯は化学染料も多く価格が安い
ペルシャ絨毯ですが、普及品は化学染料を使っていることも多く、その分だけ価格も安くなっています。
本来の姿を言えば、ペルシャ絨毯は伝統的な手法にのっとって作られるものですから、そのような染料など昔は無かったわけで、絨毯の繊維だけではなく染料についても化学的な合成品ではなく、植物を利用するなど自然由来のものが使われています。
しかしこれは手間もかかりますし、使用感をとっても必ずしも自然由来の製品のほうが機能的に優れているとは限りません。
もちろんコスト的な問題もあって、高級品はともかく値段も重視される製品では化学染料が使われていることも多いです。
だから偽物だとか本物でないといった短絡的な話ではなくて、ペルシャ絨毯を購入するときには単にコストとか見栄えだけに注目するのではなくてこのような点もしっかりと確認してからにすべきだということです。
安いものにはそれなりに理由があるわけですが、だからと言って高いものが本当に自分の求めるものかというと違うこともあります。
ペルシャ絨毯の良さを十分に引き出す天然染料の役割
イラン国内で製作された手織りの絨毯をペルシャ絨毯と呼び、約3000年以上の歴史を持つ伝統工芸品としても世界的に有名です。
イランの文化や芸術を代表するペルシャ絨毯は緻密なデザインの美しさはもちろん、耐久性があり実用的な絨毯です。
ペルシャ絨毯の魅力の一つは色彩の鮮やかさで、文様とモチーフによって様々な意味を持ち使用される色にも様々な意味が込められています。
様々な意味が込められる色は、自然界に存在する植物から抽出される天然染料を使用しています。
ペルシャ絨毯と一括にしても製作する地域によっても差がありますが、染色を行うのには順序があります。
まずは糸に付いている汚れを洗い流す精錬から始まり、細かな汚れを湯に浸して取る湯通から媒染液に15分から20分浸す媒染を行い軽く水洗いする濯ぎへ移ります。
その後染液に浸け60度から80度で15分から20分程かけて染色をして、濯ぎでよく洗い絞って乾燥の工程に移ります。
天然素材を使用することでペルシャ古来の伝統や文化、そして芸術を継承したデザインを鮮やかな色彩で表現することが出来ると人気の理由の1つとなっています。